糖質制限ダイエットって良くないの?
良くないとは言わないけど、メリットやデメリットをきちんと理解した上で行うことをおすすめします
最近よく耳にする「糖質制限ダイエット」ですが、太りにくい体質になるなどメリットが多い反面、「良くない」「実は危険」という声もあります。
糖質制限ダイエットが良くないと言われている理由を、私が実際に糖質制限をして感じたメリット・デメリットと合わせてお話します。
- 糖質の大事な役割について
- 糖質制限ダイエットのメリット・デメリット
- 糖質制限ダイエットで実際に起こった変化
糖質制限ダイエットって何をするの?
糖質制限ダイエットとは、その名の通り「糖質を制限するダイエット法」です。
糖質とは、主に炭水化物に含まれる栄養素の1つで「炭水化物=糖質+食物繊維」のことを指します。
糖質を制限ってことは炭水化物を食べないってことだよね?
それは、大きな間違いです。
ダイエットを始める時「全く食べない」「食べる量を減らす」「炭水化物を食べない」など、食事量を減らすことで体重を落とそうとします。
食べる量を減らせば簡単にスルスルと体重が落ちるので、「ダイエットに成功した!」と感じるでしょう。
ですが、食べないダイエットは必要な栄養素までもが不足し、健康的なダイエット法とは言えないしお勧めできません。
糖質は主なエネルギー源になる
糖質は「体の主なエネルギー源」になり、脳や身体を動かす時のエネルギーになる役割があります。
起きている間も寝ている間も糖質は体内で消費されているので、実は食べても太りにくい食材とも言われています。
体のエネルギー源になる糖質を制限することで以下のようなデメリットが現れます。
間違えると危険なデメリット6つ
糖質制限ダイエットには危険なデメリットが6つあります。
- 便秘になりやすい
- エネルギー不足になる
- 間違えると筋肉量が減り体脂肪は減らない
- 生活習慣病になるリスクが高くなる
- ケトン体の生成による副作用がある
- 糖質制限をやめるとリバウンドする可能性が高い
①便秘になりやすい
糖質を制限するということは炭水化物に含まれる「食物繊維」も同時に摂取量が減ることになります。
食物繊維は軽視されがちですが、実は第6の栄養素として注目されるほど優秀な働きをしています。
- 水溶性食物繊維は食後の血糖値上昇を抑え、コレステロール値を下げる
- 不溶性食物繊維は水分を吸収して便の体積を増やすことで、排便をスムーズにする
- 便と一緒に不要な有害物質も排出するため、大腸がんのリスクを軽減
- 食物繊維は大腸内で発酵・分解されビフィズス菌などの細菌のエサとなり善玉菌を増やす
重要な役割がある食物繊維は毎日摂取する必要があるので、糖質制限中でも積極的に摂り入れないといけません。
②エネルギー不足になる
糖質は体を動かす主なエネルギー源です。
そのエネルギー源の糖質を制限すると、脳や体を動かすエネルギーが不足し集中力や判断力の低下・めまい・イライラなどの症状が現れます。
それだけではなく、エネルギーが足りないと脳が糖質を欲するので「食べろ」と指令を出し、食欲が増します。
まさか、糖質を抜く行為が、実は自分で痩せにくい体を作っているなんて思いもしないですよね。
糖質を制限する場合は、自分に合った適正量があるのできちんと調べてから行い、全く食べないなどの過度な制限はしないでください
③間違えると筋肉量が減り体脂肪は減らない
糖質を制限するとエネルギー不足になるという話をしました。
人間が動くためにエネルギーが必要なのですが、そのエネルギーは糖質から作られています。
では、糖質制限中にはどのようにしてエネルギーを作ると思いますか?
脂肪をエネルギーに変えるんでしょ?
それも正解!ですが、脂肪をエネルギーに変える前に筋肉を分解してエネルギーに変えます
筋肉を分解してエネルギーに変えるには限度があり、変えられなくなった時点で脂肪をエネルギーとして使います。
ですが、筋肉が減ることで「代謝が下がり燃費が悪い体質」になっています。
燃費が悪い体質で運動をしても脂肪は燃焼しにくいわけです
④生活習慣病になるリスクが高くなる
生活習慣病になるリスクが高くなるのは、糖質制限ダイエットのルールに原因があります。
糖質を制限する代わりに、栄養バランスを保つため「たんぱく質と脂質は多く摂る」ことが推奨されています。
このたんぱく質と脂質をたくさん摂っても問題ないとされていること自体が問題です。
- 腸内環境が悪化する
- 悪玉コレステロールが増加する
- 脂質異常症
たんぱく質と脂質を過剰に摂取してしまうと、腸内環境が悪化したり、悪玉コレステロールが増加し、脂質異常症・脳梗塞・動脈硬化などのリスクが高くなる可能性があります。
たんぱく質と脂質も過剰摂取にならないように気を付けましょう
⑤ケトン体の生成による副作用がある
ケトン体って何?
体内の中性脂肪をエネルギーに変える時に肝臓で作られる物質ことで、脂肪を燃やして作り出すエネルギー源がケトン体です。
ケトン体が作られることによって体内に起こる主な症状は、
- 体臭や口臭がクサくなる
- 脂肪を燃やして作られるが体脂肪は減らない
- 副作用がある(めまい・吐き気・倦怠感・眠気など)
- 筋肉量の低下や脱水症状を引き起こす可能性がある
1歩間違えば重大な健康被害をもたらすことになりかねないため、特に持病がある方は自己流での糖質制限ダイエットは危険と言われています。
また、糖質制限で痩せたように見える正体は、実は「水分」です。
ケトン体が作られる時に脂肪と一緒に水分が使われるため、体内の水分が減ることに加え、糖質には1gにつき3gの水分がくっついているので、糖質を摂取しない=水分量も減るというわけです。
糖質を制限することでかなりの水分が奪われていしまうので、糖質制限ダイエット中は1日2L以上の水分補給が必要です
⑥糖質制限をやめるとリバウンドする可能性が高い
糖質制限をして目標に達した後、普段通りの食事に戻すとどうなると思いますか?
セーブしていたカロリーはオーバーするでしょうから、リバウンドする可能性が高いです。
筋肉を分解して筋肉量が減り、基礎代謝も下がっている状態で糖質制限をやめると消費カロリーよりも摂取カロリーが大きくなることになります。
運動しても痩せにくい体質になっているのに、糖質を摂取すると余計な脂肪になりやすい…?
おっしゃる通り!消費されにくい体質になっているところに、糖質を摂取するとインスリンの大量分泌により脂肪として蓄えられやすくなります。
糖質制限ダイエット中も筋トレや有酸素運動で基礎代謝を上げ、脂肪を蓄えにくい体を作っておくことが重要です。
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理解していれば効果が現れるメリット4つ
糖質制限ダイエットにはメリットもちゃんとあるので安心してください。
- 生活習慣病などの予防に繋がる
- 糖質以外の栄養素はたくさん食べられる
- ケトン体の利用で脂肪を燃焼する効果がある
- 血糖値の上昇を防ぎ、インスリンの分泌を抑える
①生活習慣病の予防に繋がる
糖質制限ダイエットは今でこそ一般的になっていますが、元々は生活習慣病患者向けの食事療法から始まりました。
生活習慣病になりやすい現代人は、糖質の摂りすぎや運動不足が原因で消費されるはずの糖分が蓄積されていく特徴があります。
糖質を摂取量をオーバーしないよう適度に摂り、適度に運動することで生活習慣病の予防に繋がるとされています。
②糖質以外の栄養素はたくさん食べられる
糖質制限ダイエットは、糖質だけを制限するのでたんぱく質と脂質、ビタミン・ミネラルなどの栄養素はたくさん食べてOKです。
お肉や魚、野菜、フルーツは食べてもいいの嬉しいな
何でも食べてもいいですが、食べすぎは禁物です
エネルギー源となる糖質を摂取しない代わりに、たんぱく質と脂質をたくさん摂ることでエネルギー不足を補います。
ですが、1人ひとり1日の摂取カロリーは違いますので、摂取オーバーにならないように気を付ける必要があります。
③ケトン体の利用で脂肪を燃焼する効果がある
デメリットで説明した「ケトン体」は、実はメリットでもあります。
ケトン体は脂肪を燃やしてエネルギーに変える働きをします。
糖質がない状態が続くことで、優先して使われるエネルギー源が筋肉と脂肪となり、常にエネルギーを生成し続けるので脂肪燃焼効果が期待できます。
体重には効果が現れやすいですが、同時に体脂肪率が変化しているかどうかもチェックしておきます。
体脂肪率が下がっていなければ水分と筋肉が減っただけの可能性が高いので、やり方を見直す必要があります。
筋肉の分解で筋肉が減少するので、たんぱく質の摂取と筋トレをしっかり行いましょう
④血糖値の上昇を防ぎ、インスリンの分泌を抑える
糖質を体内に取り込むと血糖値が上昇し、血糖値を下げるためにインスリンが分泌されます。
分泌されたインスリンには糖質を効率よく吸収し、吸収した糖質を筋肉や脂肪に分けて送り込む働きがあります。
しかし、糖質の摂取が多ければ多いほどインスリンの分泌量が増え、使われなかったインスリンは中性脂肪として蓄えられます。
毎回の食事で、血糖値を急激に上昇させないことが重要です
2週間挑戦して実際に感じた3つのこと
私が実際に糖質制限ダイエットをした時に感じた3つことをお伝えします。
- 筋トレや有酸素運動は必須
- 体重は減るが体脂肪は減らない
- 長期間にわたって行うと不調の原因になる
①筋トレや有酸素運動は必須
糖質制限ダイエット中でも、筋トレや有酸素運動は欠かせません。
なぜなら、糖質制限中は筋肉を分解してエネルギー源として使うため筋肉量が低下すると言われているからです。
筋肉量の低下は基礎代謝が低下する原因となり、基礎代謝が低いと脂肪を燃焼しにくくなるため太りやすい体質になってしまいます。
糖質制限ダイエット中でも筋肉量を減らさないために、しっかり運動する習慣を身につけましょう
②体重は減るが体脂肪は減らない
実際に糖質制限ダイエットをした時、2週間程度で1.5kgほど落とすことができました。
結果は、わずかですが筋力低下により基礎代謝が下がったため脂肪は減りませんでした。
糖質制限中は脂質を多めに摂取するため、脂肪を燃焼しても次から次へと脂肪を蓄えている状態になります。
脂質の摂取量をオーバーしていなくても、燃費が悪く消費できないため蓄積されたと考えています。
③長期間にわたって行うと不調の原因になる
糖質は体のエネルギー源になるので、人間にとって必要不可欠な栄養素です。
必要な栄養素が摂取されないとデメリットで挙げた通り「めまい・吐き気・倦怠感」などの症状が現れます。
私は主食を完全にカットしたら、3日目の朝起きた時にフラつきました…
症状が出る原因は様々ですが、ケトン体の排出によるものだと考えられています。
ケトン体が常に出続けると動脈硬化や糖尿病などの合併症のリスクもある上に、睡眠不足を招くこともあります。
まとめ|糖質制限ダイエットは良くないの?実体験で分かったメリットとデメリット
糖質制限ダイエットのメリット・デメリットをまとめてみましょう。
- 便秘になりやすい
- エネルギー不足になりやすい
- 長期間継続するのはリスクが大きい
- ケトン体による副作用がいくつかある
- 糖質制限ダイエット後はリバウンドしやすい
- 短期間で効果を得られやすい
- 糖質は完全にカットしなくていい
- たんぱく質・脂質は気にせず食べられる(食べすぎ注意)
- 生活習慣病の予防に繋がる
私の結論ですが、ダイエットに糖質制限は必要ないと感じました。
普段から糖質を摂りすぎている方には効果があると思いますが、そうでない方はあまり意味がないと思います。
いずれにせよ、正しい方法をしっかりと調べた上で挑戦することをおすすめします。
糖質制限ダイエットを行う場合は、必ず無理のない範囲で行い異常がある場合はすぐに中止するようにしてください