たくさん食べてないのに体重が減らないの…なんで?
体重を減らすことを目的にダイエットされている方からこんな悩みをよく聞きます。
「ダイエット=痩せる(体重を減らす)」という解釈は本来、間違っています。
「痩せている人は食べてないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、それは逆です。
実はしっかり食べています。そして、食べているだけではなく適度な運動も行っています。
人それぞれ理想のスタイルを維持するために計り知れない努力を裏ではしているんですよね。
正しく痩せるために重要なことを、2年で25㎏減量した私が経験を元に解説します!
- 正しいダイエットとは何か?
- 食べていないのに痩せない理由
- 理想の体型になるために重要なこと
正しいダイエットって何?
まずは、「正しいダイエット」についてお話します。
「Diet(ダイエット)」の本来の意味
「Diet(ダイエット)」は英語で「食事・栄養」という意味があります。
「痩せる」っていう意味じゃないの?
みんなが言うダイエットは痩せるという意味で使われてるけど、実は和製英語なんです。本来は「食事・栄養」に加えて「食事療法」と訳されることもあるよ。
日本でよく使われるダイエットは体重を減らすことというの浸透していますが、本来は食事で生活を改善するという意味があります。
また、もっと深堀すると「Diet」の語源はギリシャ語の「Diaita」で意味は「生活様式(生活習慣)・生き方」です。
つまり、体重を落とすことだけが目的ではなく、生活そのものを変えて健康になろうということなのです。
とはいえ、体重を減らしたい・体型を変えたいという方が多いのも事実なので、生活習慣がダイエットに関係していることを覚えておくことだけでいいと思います。
生活習慣を見直す方法
では、どのようにして生活習慣を見直せばいいのかを説明します。
そもそも生活習慣を改善することと体重を減らすことは繋がるのか?と疑問に思うところですが…
答えはイエスです。(詳しい解説は下記に書いています)
私自身も経験しましたが、生活全体がダイエットに影響します。
例えば仕事・家庭・学校でのストレス、睡眠不足、運動不足、無駄な買い物、スマホやPCなどの見過ぎもそうです。
生活習慣を見直す方法として私が実践していたのは、1日の生活を円グラフに起こす方法。
自分に足りないもの、もしかしたらこれが影響しているかも?と思うことが、可視化することで分かりやすくなります。
実際に私が書いたのがこちら。
昼と夜の自由時間は有酸素運動やストレッチ・マッサージの時間にしたり、テレビ見てダラダラしたりしています。
一口サイズのおやつをつまみ食いすることが多かったですね…
こうやって書くと頭で自分の生活が整理できて、有効に使える時間や無駄になっている時間を把握できます。
例えば、仕事をしている人は残業などがあったり、バイトをしている人はシフトを入れすぎていたり自分の時間を取れていないなど、ストレスが溜まる要因を見つけることができ改善に繋がります。
なるべく残業しないようにしようとか、コンビニ寄って帰るのやめようとか?
そんな感じ!
でも、改善点ばかりじゃなくて、癒しの時間も可視化することで生活習慣で変えたくないところも見えるので、改善したいところともっと増やしたい時間を意識していくことが大事かな。
ダイエットを成功させるための秘訣
ダイエットを成功させるために大事なことは「正しいダイエット=生活習慣を見直すこと」です。
生活習慣を見直して自分が改善すべきところをまずは見つけてください。
それと同時に、生活習慣の中で譲れない時間を自分で理解しておくことも大事です。
癒しの時間だったり、テレビの時間、友達と電話する時間など、人それぞれですが、この時間は自分にとってストレス発散になる時間なので大切にしてほしいです。
ただし、下記でも説明しますが、体重が減らない理由として「睡眠不足」「睡眠の質が悪い」ことが挙げられます。
なので睡眠時間がほとんどないという方は、まずは睡眠時間(できれば6~7時間)を確保することを目標にしてください。
食べていないのに痩せない理由は大きく分けて4つ
それでは本題の「食べていないのに瘦せないのはなぜ?」を解説していきます。
痩せない原因としてあげられることは以下の4つ。
痩せない4つの原因
- 食事
- 運動
- ストレス
- 睡眠不足
順番に説明していきます。
食べていないのに痩せない理由その1「食事」
食事はダイエットを成功させるために必要不可欠です。
ダイエットを成功させるためには「食事9割:運動1割」と言われるほど、食事はとっても大事なんです。
え?運動より食事の方が大事なの?
びっくりですよね。
私も最初は食べないダイエットを行っていて、体重を目標まで減らすことができてもまたすぐにリバウンドする…というのを繰り返していました。
「食べない」というのがそもそも間違えていたんですよね。
3大栄養素が摂れていない(PFCバランス)
「食べない=痩せる」というのは誰でも想像がつき、実践しやすく効果が出るのが早いので痩せたと勘違いしてしまいます。
ですが、それでは正しいダイエットにはなりません。
ダイエットは、生活習慣を見直して健康になるというのが目的なので、食べないダイエット・過度な食事制限では健康にはなれません。
正しく体重や体型を変えるためにはきちんと必要な栄養をバランスよく摂る必要があります。
農林水産省のHPでも推奨されていますが、PFCバランス(P:たんぱく質、F:脂質、C:炭水化物の摂取バランスのこと)を守って食事を摂ることで健康維持や減量に繋げることができます。
農林水産省のPFCバランスは健康維持が目的なので、ダイエットに有効となるPFCバランスは(P: 40%、F: 30~40%、C:30~40%)です。
特にたんぱく質を多く摂ることで代謝を上げやすくなるのでたんぱく質を意識すると良いです。
血糖値が上がると太る
食べていなくても痩せない理由には「血糖値」が関係しています。
血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖のことですが、ブドウ糖を多く含む主な食材は「炭水化物」です。
炭水化物は体内に入ると食物繊維とブドウ糖に分解・吸収されることで血液中に取り込まれるため、食後には血糖値が上昇します。
この血糖値の上昇が起こった時、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されるのですが、このインスリンが厄介なのです。
インスリンの役割は、食後に上がった血糖値を平常に下げることです。
血糖値を下げてくれるならいいじゃん
と思うのですが、実はこれには罠があって…
食後に上がった血糖値の上昇レベルによってインスリンの分泌量が変化します。
緩やかな上昇であれば問題ないのですが、急激に血糖値が上昇する(糖質を摂りすぎると起こる)とインスリンの分泌量も多くなり、血糖値を平常に戻した後、余ったインスリンは中性脂肪として体内に蓄えようとします。
そのため、過度な糖質摂取は急激に血糖値を上げ体脂肪を蓄えてしまうことになります。
インスリンは「肥満ホルモン」とも呼ばれてるよ
糖質を完全カットしている
体重を落とそうと考えた時に、まずやりがちなことは「糖質の完全カット」です。
糖質とは主に炭水化物のことですが、お米や麺類、パンを食べているから太ると思っている方が多いです。
実際、私も学生の頃は糖質をカットするダイエットをしていたことがあります。
また、テレビなどのメディアでも炭水化物抜きダイエットを紹介したりするため、それだけを見た人が「やっぱり炭水化物がダメなんだ」と勘違いしてしまうのです。
でも実際は、糖質って体にとって必要不可欠なもの。
それに炭水化物に含まれる糖質は太りにくいと言われているのでたくさん食べ過ぎなければ問題ないんです!
糖質が体内にとって重要な理由
- 糖質は脳や体を動かす大事なエネルギー源
- 糖質はたんぱく質と同様に効率よく筋トレ後の筋力アップに役立つ
- 炭水化物は脂質より早くエネルギーとして変換され、優先して使われるエネルギーとなる
糖質は悪者みたいに思われていますが、糖質不足でエネルギーが足りなくなると脳が糖分を摂取するよう指令を出し、甘いものが欲しくなります。
糖質抜きダイエットをしたことがある人なら分かると思いますが、食べていないことでお腹が空いたりイライラするのは必要な糖分量を満たせていないからです。
食べているのに瘦せない理由その2「運動」
次に、運動についてお話します。
食べているのに瘦せない理由の食事編でお話したように、食べることで体内のバランスが整います。
当たり前ですが、食べて体に蓄えたエネルギーを消費しないと体重は減りません。
「しっかり食べて適度に動く」がポイントになってきます。
運動不足が原因!2種類の運動を上手に行う
運動には主に有酸素運動と無酸素運動の2種類があります。
それぞれ役割や効果が違うので解説していきます。
有酸素運動
有酸素運動とは、字の通り酸素を体内に取り込んで長時間行う運動です。
主な有酸素運動
- ウォーキング
- ランニング
- スイミング
有酸素運動の効果
- 健康維持
- 肥満の予防、改善
- 心肺機能の向上
- 持久力の向上
- 体脂肪燃焼
無酸素運動
無酸素運動とは、瞬発的な力を出す際に使用される筋肉を鍛える運動です。
主な無酸素運動
- 筋力トレーニング
- 高重量のトレーニング
- ダッシュ
無酸素運動の効果
- 筋力アップで代謝が上げる
- 消費エネルギーが増える
- 脂肪燃焼効率がよくなる
- スタイルが良くなる
有酸素運動と無酸素運動をうまく組み合わせて行うことで、体脂肪を上手に減らすことができます。
また、それぞれ使うエネルギーが違うのも特徴で、筋トレ(無酸素運動)では主に糖を消費し、有酸素運動では脂肪を消費します。
筋トレが嫌いで長続きしない
運動しないといけないのは分かっているけど、「筋トレが嫌い」「筋肉ムキムキになりたくない」というのをよく聞きます。
ですが、筋トレするからといって簡単に筋肉がつくわけではありません。
簡単に筋肉を付けることが出来るなら、トレーニングしている人みんなボディビルダー並みになっています。
私も2年かかってようやく腹筋に薄い線が見えてきたくらい、筋肉をつけるのって相当な努力と根性が必要なことだよ
筋肉量は勝手に年々減っていく
20代の頃は何を食べてもちょっと動けばすぐに痩せたのに、30・40代になると中々痩せない…
それは、筋肉量の低下が原因です。
30代を過ぎると筋肉量は年々低下してくのですが、30代で 40代 50代で
この筋肉量が低下する症状を「サルコペニア」という言いますが、サルコペニアは筋トレで予防することができるので、積極的に取り入れて欲しいですね。
代謝量と筋肉量がダイエットに影響する
ダイエットにおいて「代謝」が重要になってくるのですが、中でも重要なのが「基礎代謝量」です。
その基礎代謝量を左右するのが筋肉なのです。
筋肉と代謝量は比例していて、筋肉が増えると基礎代謝量が上がります。
筋肉が増え基礎代謝量が上がる ⇒ 消費エネルギーが増え、痩せやすい体になる
筋トレが嫌いだからと避けて有酸素運動ばかりやっていても痩せないのは、筋肉量が低く基礎代謝量が少ないからです。
効率よく体重を落としたいなら、筋トレ+有酸素運動で基礎代謝量を上げて消費エネルギーを増やすことで脂肪燃焼効率が良くなりますよ。
筋肉を増やせば脂肪燃焼効率が良くなるので、痩せたいなら筋トレはマストです!
食べていないのに瘦せない理由その3「ストレス」
次は、日常生活で誰でも感じている「ストレス」についてお話します。
ストレスは一生解消されないと思ってる
仕事、家庭、友達関係、色々あるよね…私もなくならない…
ストレスが溜まると食欲が増す
関係ないように思えてストレスはダイエットに影響しています。
ストレスが溜まっていることに気づきやすいのが「食欲」で、特に甘いものが欲しくなることが多いと思います。
これには心理的な要因が関係しており、外的なストレスを過度に与えると食欲の低下が起こるのですが、軽度のストレスを与えると食欲が高ぶるとされています。
ストレスを感じていると人間は糖分を摂取することで心も脳も満たそうとするため、食欲が増し、制御が効かなくなります。
ストレスは適度な運動で解消できる
ストレスによる食べすぎを予防できるのは「適度な運動」です。
運動することが良い刺激になり、食欲で満たそうとしていた満足感を解消してくれます。
ダイエットのために過度な食事制限をしている人は、エネルギー切れによりストレスを感じやすなるので、まずは食事制限を無理のない範囲で設定し、必要な栄養(適切なPFCバラン)を摂取することから見直してください。
しっかりご飯を食べて適度な運動をすると、ストレス解消に繋がり間食が減ります。ついでに脂肪も減って一石二鳥!
食べていないのに瘦せない理由その4「睡眠不足」
最後にダイエットに必要不可欠な「睡眠」についてお話します。
ダイエットと睡眠は深い関係にあり、寝ている間には脂肪燃焼・便秘解消などの効果があります。
ただ寝ればいいのではなく、確実に効果を発揮するためには「睡眠の質」が重要になってきます。
睡眠の質に関わる「腸内環境」
睡眠の質を良くするためには「腸内環境を整える」ことが大事になってきます。
腸内では「蠕動(ぜんどう)運動」という動きがありますが、この蠕動運動は自律神経(交感神経と副交感神経)によってコントロールされています。
蠕動運動が活発になると便秘が解消されたり、腸内フローラが増えたりすることで腸内環境が良くなっていきます。
腸内環境良くするために
- 睡眠の質をあげる
- 睡眠時にストレスを感じない
- 発酵食品を食べる
- 善玉菌を増やす
- 夜更かしをしない
- 寝る前にストレッチやヨガをする
など
逆に睡眠の質が悪いと睡眠不足になったりストレスが溜まったりし、交感神経が優位になるため便秘を引き起こします。
便秘になると悪玉菌が増えてしまい、日常生活においてもダイエットにおいても悪影響になります。
寝ている間に出る‶痩せホルモン″がある
痩せるために必要な睡眠時間は6~7時間となっていて、その間に成長ホルモンが分泌されます。
寝ている間に分泌されるこの成長ホルモンこそが「瘦せホルモン」の正体です。
成長ホルモンの役割
- 食欲抑制
- 脂肪分解作用
- たんぱく質の合成
質の良い睡眠をとることで、成長ホルモンが正常に分泌されると、食欲を抑えられるため食べすぎを防ぐことができます。
深い睡眠をとることで、次の日のスッキリ感も全然違いますよ
まとめ|食べてないのに体重が減らない?本当に効果のある正しいダイエットとは
「食べていないのに痩せないのはなぜ?」理由についてお話しましたが、疑問は解決しましたか?
最後にもう1度、正しいダイエットについてまとめていきます。
- ダイエット本来の意味は「生活様式・生き方」で生活全体を見直すことを指す
- 糖質抜きダイエットは逆効果なため、PFCバランスを意識してバランスよく食べる
- 食事9割:運動1割と言われるくらい食事の改善はかなり重要
- 運動は無酸素運動と有酸素運動の2種類を並行して行うと効果的
- ストレスを溜めると食欲が増してしまうので、運動で発散する
- 睡眠中も脂肪燃焼作用が働き、深く眠ることで食欲抑制するホルモンが分泌される
上記のように、運動も食事も両方改善することが理想ですが、最初からどちらも完璧にしようとしなくて大丈夫です!
ダイエットは生活全体の改善が重要になるので、自分の出来ることから少しずつ、少しずつ変えていけばいいのです。
私も健康的な生活に改善できるまで1年半ほどかかったので、長期的な目標を立てて実践することが大事です。